先日ファイントラックの複線間隔に関する考察を行いました。舌足らずな書き方にもかかわらず目黒の殿様にコメント頂いたりして、一生懸命読み解けば何となく雰囲気が掴める、逆に言えば容易に理解できる書き方ではなかっかと思います。自分でもそのうちナニ書いたか判らなくなりそうなので、備忘録も兼ねて実例を基に解説しておきます。
単線からN-PL541?15を使って複線を作る次のような線路配置を考えます。
ファイントラックでも推奨されている線路分岐ですね。先の記事のデータをそのまま再掲し、更に復習してみます。
280mm AC=9.5mm BC=72.5mm
317mm AC=10.8mm BC=82.1mm
354mm AC=12.0mm BC=91.7mm
391mm AC=13.3mm BC=101mm
541mm AC=18.4mm BC=140mm
ACは上図の垂直方向の変位、BCは水平方向の変位になります。N-PL541?15の分岐側はC541?15と同じですから垂直方向の変位は?で示している18.4mmとなります。分岐した後直線側と平行にするために使うC541?15でも垂直方向の変位は?で示す18.4mmですから、複線間隔は36.8mm≒37mmとなり、ファイントラック規定値となります。
水平方向ですが、N-PL541?15分岐側のC541?15相当は水平方向に140mm進んだ位置となり、直進側と同じ水平座標上に接続点が来ます。更に続くC541?15も水平方向に140mm進んだ位置に接続点が来ます(B点)から、直進側にS140をつなげば接続点(A)は分岐側と同じ水平座標上に接続点があることとなります。
さて、このN-PL541?15に続くC541?15の代わりに異なる半径のカーブを入れると複線間隔が変化するというのが先のエントリーの考察でした。仮にC541?15ではなくC280?15を使うと以下のようなコトが判ります。
・複線間隔 18.4mm+9.5mm=28mm
・水平方向 分岐側接続点はポイント分岐点から72.5mm右に行った位置なので、直線側にS72.5をつなげば水平座標は同じとなる。
・もし直進側にS140を使いたいのなら、分岐側が140?72.5=68.5mm短くなる。端数レールS33を2本使い、もう2.5mm誤魔化せば体裁を繕える。
複線間隔28mmというコトはPECOの27mmとほぼ等しく、かなり実感的な複線間隔と言えますね。ファイントラックを使ってこの間隔でカーブを作るコトは出来ませんが、モジュール手前で複線間隔を調整しておくというのはアリかも知れません。
C280ではなくC391を使うと
・複線間隔 18.4mm+13.3mm≒32mm
・水平方向 分岐側接続点はポイント分岐点から101mm右に行った位置なので、直線側にS99を使い、もう2mm誤魔化せば体裁を繕える。
・直進側にS140を使うと分岐側接続点は140?101=39mm右側となる。端数レールS18.5を2本使い、もう2mm誤魔化せば体裁を繕える。
関水ユニトラックの複線間隔は33mmですから、こうすればユニトラックとつなげるコトが出来ます。
上記のように単線から複線にする場合ではなく、既にあるファイントラック規程の37mm間隔複線をどうすればいいかも考えてみましょう。
複線の片側が直線のままで他方にのみS字を一つだけ入れて複線間隔を変えようとすると、垂直方向の変位が最も少ないS280?15でも9.5mmありますからS字全体では19mmとなってしまいます。ファイントラックの直線2本をピッタリとくっつけた状態になるワケで、線路間隔19mm程度となりますから走行させるコトはとてもムリです。となると以下のようにS字を2つ入れると複線間隔を変えるコトができます。
C391?15は垂直方向に13.3mm動きますから、S時全体では約27mm外側に動きます。ここからC541?15を2本使ったS字で37mm内側に移動させます。これにより元の複線間隔37mmに対して複線間隔は10mm狭まって27mmとなります。ほぼPECOの複線間隔ですね。C541?15×2本分にC391?15が2本分ですから、直線長さは
140×2+101×2=482mm
となります。S字側にキッチリ合わせるのならばS140×2(もしくはS280)+S70+S33×4、概ね合わせるのであればS140×2(もしくはS280)+S99×2でいいはず。S字の水平方向の長さは
101×2+140×2=482mm
となり、概ね合わせる場合では
140×2+99×2=478mm
約50cmで4mmの差しかありませんから誤魔化せると思います。一方で、直線側を70の倍数にするならばS280を2本使うコトになりますが、差は
280mm×2?482mm=78mm
ですので、S字側にS72.5を1本かS18.5を4本使って誤魔化すしか無いようです。
78?72.5=5.5mmの差
78?18.5×4=4mmの差
となります。
複線間隔を調整するのに500mm近い長さを費やすのが勿体無い場合は片側直線を諦めて両側S字にすればいいでしょう。
ここまでPECOの27mmに合わせるコトを考えてきましたが、関水ユニトラックの33mmに合わせるならばC541の部分にC391を、C391の部分にC354を使うと複線間隔は3mm縮まって34mmになります。片側が直線のケースだとS字の水平方向長さは
101×2+91.7×2≒386mm
となります。直線レール合わせは考えるのが面倒なので、万が一必要な方は自分で組み合わせてみてください。
売ってるレールをそのまま使って複線間隔を変えるならばこんなカンジでしょうか。レールを改造するならば....ちょっと試してからネタにしましょう。
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Comments [2]
目黒のダンボさん
こうやって数値化して複線間隔を調整するとかなりの距離が必要となるんですね。
フレキを使って「適当」に曲げてしまうと「脱線箇所」となって当然と納得です。
駅やヤードを、ある程度の長さに収めようとしてモジュールを作ろうとすると、まだまだ奥が深いですね。
ぼうずさん
市販されているレールを使うとこうなっちゃいますね。フレキの場合、Rがどの位なのか判り辛いですから実は急なRになっているのかも知れません。
ってか、こんな妄想してるから余計なコトばかり思い付いて手が動きません。また脱線してるんだよなー(^^ゞ
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